毛細血管を観察する理由
動脈や細動脈が三層構造になっているのに対し、
毛細血管壁は単層の内皮細胞と、その周りの壁細胞で構成されています。
そのため血流や血液の影響を受けやすく変化が
わかりやすいのです。
毛細血管形状と血流の状態を知ることで「未病」の状態が
認識できます。「血液の循環」は体内でおこることの
多くの事に関わり、影響を与えています。未病を認識すると、
早い段階で生活習慣の改善に取り組むきっかけになります。
未病とは
「病気ではないが不調を感じる状態」を未病と言います。
具体的には冷え性、便秘、かたこり、頭痛、しびれ、むくみ、
肌荒れ、肥満など症状をあげればきりがないほど出てきます。
観察する部位は?
左手薬指の爪と皮膚の境より少し下に
特定波長可視光線を集中照射して観察します。
毛細血管だけでなく、広くその基底部にある
動静脈網を観察できるためです。
観察結果事例
正常状態
真っすぐに伸びたヘアピン状の毛細血管が
規則正しく伸びています。
この画像ほどキレイな毛細血管の方は非常に少なく
全体の数パーセントしかいません。
タイプ1
毛細血管のループがねじれている状態です。
ストレスや酸化したものを摂る食習慣がある可能性が考えられます。
タイプ2
毛細血管の太さが太い状態です。
肉や脂を過剰に摂る食習慣がある可能性が考えられます。
タイプ3
毛細血管のループの縦の長さが短い状態です。
食事や運動習慣など何らかの原因により毛細血管が発達していない可能性が考えられます。
タイプ4
横に走る毛細血管が映る状態です。
ストレス・オーバーワーク・食べ過ぎ・運動過剰もしくは運動不足などの可能性が考えられます。
タイプ5
毛細血管の周りの細胞外液が濁っている状態です。
毛細血管の折り返しの頭しか見えない状態で睡眠不足や疲労の可能性が考えられます。
※参考:小川三郎著「毛細血管像と臨床」